2021-03-18 腐臭 ポエム 平凡な劣等者が人生で唯一劇的であることに遭遇した。その衝動。ありふれたものではある。だが特別だ。然るにそれに拘泥するのは無理からぬ話だろう。 自己の価値を証明するため、顕示するためにその刹那的な感情を掴んで離さなくなってしまう。バナナを離そうとしないせいで、穴から手が抜けなくなるサルのように。そこに縫い留められてしまう。釘付けにされてしまう。 歩みが止まれば後は腐るのみ。その痛みと自己憐憫からは独特の腐臭がする。